エンジニア転職日記

エンジニア転職に向けての日記です

『7つの習慣』を読んで

 概要

7つの習慣』を読み終えたので、ここにアウトプットしておきます。『7つの習慣』は、一言で言えば、「世界一有名な自己啓発本」です。数多くの成功者と会い、その核心について研究してきた著者が、人生における「成功」のための原則をまとめ、それを身につけるための方法を記した著作となっています。

各習慣の概略

0.前提

まず、『7つの習慣』を身につけるにあたって必要な知識について解説します。

パラダイム

ある時代のものの見方・考え方を支配する認識の枠組み、という意味です。『7つの習慣』の中では、一人ひとりのものの見方や捉え方、という意味で使われています。

原則

一般的な「原則」は、「例外を除いて、一般的にはこう」という意味で使われますが、『7つの習慣』の中では、「人生や人間関係における真理であり、普遍のもの、全てに優先されるべきもの」という意味で使われています。

インサイド・アウト

問題の原因や解決策を自分自身の内面に見出すアプローチのことです。

例えば、

「忙しくて読書する時間がない」

と言っている人がいたとします。これは、アウトサイド・インの思考です。

インサイド・アウトのアプローチを適用すると、

「忙しいのはどうしてだろう、何を改善すれば読書する時間が取れるのだろう」

と考え、

「朝30分早く起きればその分時間が取れるから明日から実行しよう」

というように、環境のせいにせず、自分の中で改善できることを見つけられるようになります。

成長の連続体

人間の成長は、「依存」→「自立」→「相互依存」の順番で進みます。

人は誰しも、他者に100%「依存」しなければならない赤ん坊として生まれてきます。そこから成長していくと、自分のことは自分で決め、成し遂げられる「自立」の段階へと進みます。さらに成熟していくと、社会は「相互依存」で成り立っている、つまり他者との関係の中に自分の存在があることに気がつきます。

7つの習慣』では、「自立」に至ることを「私的成功」と呼び、「相互依存」に至ることを「公的成功」と呼びます。

P/PCバランス

「P/PCバランス」は、成果を最大化する、原則に基づいたバランスのことです。

Pは Production の略で、成果を表します。PCは Production Capability の略で、成果を生み出す能力を意味します。

「P/PCバランス」はイソップ童話『ガチョウと黄金の卵』に沿って説明されています。

「黄金の卵欲しさにガチョウを殺してしまっては、黄金の卵が取れなくなってしまう。黄金の卵を最大化するには、ガチョウの健康と黄金の卵のバランスが大切だ」

と、この童話は教えてくれています。

影響の輪

人間の関心事の中には、自分でコントロールできる部分とそうでない部分があります。コントロールできる部分を「影響の輪」と呼び、そうでない部分を「関心の輪」と呼んでいます。

例えば、

「他者からどう思われているか」

ということは自分にはどうしようもない「関心の輪」の事柄ですが、

「親切に接する、尊重する」

という自分の思考や行動は「影響の輪」の範囲内に位置します。

「影響の輪」の範囲内で、できることを思考し行動することで、

環境が変わっていくことを、「影響の輪が広がる」と表現します。

1.第一の習慣【主体的である】

「主体的である」とは、自分の思考や行動が過去の選択の結果であることを自覚している状態を指します。

・生まれつき〜な性格だ

・子供の時に〜と言われてきたからこうなった

という思考は主体的ではありません。

現在の自分が「どんな環境にいて、どう思考し、どう行動するか」は、

全て自分の選択の結果だと自覚することが「主体的である」ということです。

そして主体的である人は影響の輪の中で思考し、行動します。自分の人生においては、自分の思考や行動を変えることで、内側から環境を変えていくことができるのです。

2.第二の習慣【終わりを思い描くことから始める】

達成したい目標がある時、それを頭の中で明確に思い描けなければ実現することはありません。人生においては、「ミッションステートメント」を定めることがそれに該当します。

ミッションステートメントとは、

・どんな人間になりたいのか(人格)

・何を成し遂げたいのか(貢献・功績)

と、それらの土台となる価値観と原則を書き起こしたもので、いわば人生の憲法のようなものです。

これを日々思い描くことを習慣化すると、人生のビジョンが明確になり、目標に向けて正しい努力をすることができるようになります。

3.第三の習慣【最優先事項を優先する】

「最優先事項を優先する」習慣は、第一、第二の習慣を実践し、私的成功を得るための習慣です。

第一の習慣を身につけると、自分の人生を自分の力で変えていく力が身につきます。

第二の習慣を身につけると、自分の人生の目標に向かうにはどうすればいいのかがわかります。

そして第三の習慣を身につけることで、その目標へ実際に近づいていき、「自立」を手にします。

最優先事項を優先するには、自身のミッションステートメントにしたがって計画を立て、実行していくことが必要です。何か問題に直面したときも、自分のミッションに関係のない場合は、「にこやかにNoを提示できる」ことが大切です。

4.第四の習慣【Win-Winを考える】

Win-Winを考える」習慣は「公的成功」の土台となります。この習慣を身につけることで、良好な人間関係を構築し、協力していくことができるようになります。

Win-Winの関係は5つの側面から成り立っています。

・「人格」誠実、成熟、豊さマインド 

・「人間関係」信頼

・「協定」Win-Winの中身を明確にする

・「システム」組織を支えるシステム、会社であれば事業計画や給与体系など

・「プロセス」相互理解し、共通の問題を見極め、新しい選択肢を見出す過程

豊さマインドとは、「資源は人々が分け与え会うのに十分な量がある」という考え方です。豊さマインドがある人は、勝ち負けでなく、お互いに結果を得るWin-Winの選択肢を選ぶことができます。

また、「No-Deal」の選択肢を持つことも大切です。「No-Deal」とは、お互いが納得できる結論が出ない場合は、「合意しないことを合意する」選択肢のことです。

「No-Deal」の選択肢があることによって、自分のWinを主張しつつ、相手の主張にも耳を傾けられる余裕が生まれます。

5.第五の習慣【まず理解に徹し、そして理解される】

他者との関係は、まず共感することから始めることが大切です。

相談を持ちかけられたとき、人は「自叙伝的反応」を示しがちです。

「自叙伝的反応」とは、

・「評価する」同意または反対する

・「探る」自分の視点から質問する

・「助言する」自分の経験から助言する

・「解釈する」自分の動機や行動から説明する

の4つの行動を指します。

しかし、他者を本当に理解したいと思うのであれば、「共感」することに徹しなければなりません。「共感」とは、感情的かつ知的に理解することです。相手のパラダイムや感情を理解するには、自分の心を開き、相手の目で世界を見る必要があります。

他者とのコミュニケーションにおいては、「人格」→「人間関係」→「主張」の順番が大切です。第一、第二、第三の習慣により身に付けた、自立した人格を持って初めて人間関係の構築ができます。安定した心がなければ、相手に心を開くことはできないからです。そうしてお互いに開いた心に、論理を使ってコミュニケーションしていくのです。

6.第六の習慣【シナジーを創り出す】

シナジー」とは、全体の合計が個々の部分の総和よりも大きくなることです。人間関係におけるシナジーは、お互いに協力しあうことで、一人ひとりの力で成し遂げる結果よりも大きなものを得ることです。

シナジーの本質は、お互いの違いを認め、尊重し、自分の強みを伸ばし、弱い部分を補うことにあります。

お互いの違いを認め、尊重するには、パラダイムが多様であることを認識しなければなりません。

人間は一人ひとり、知的・感情的・心理的に違っています。

つまり、自分から見えている世界は「あるがまま」の世界なのではなく、

「自分のあるがまま」の世界を見ていることに気づかなければなりません。

人格の形成、Win-Winの思考、共感による相互理解があって初めて、シナジーは生まれます。

7.第七の習慣【刃を研ぐ】

 「刃を研ぐ」習慣は、自身の価値を高める習慣です。

自身の価値を維持し、高める成長のループを「再新再生」と呼びます。

「再新再生」には、4つの側面があります。

・「肉体」有酸素運動や筋力トレーニングなどで養うことができる体力。

・「精神」自分を鼓舞、リラックスさせ、自分の原則を再認識させるもの。瞑想や音楽、自然など、養う方法は人によって異なる。

・「知性」読書、文章を書く、企画・計画することによって養われる考える力。

・「社会・情緒」第4、第5、第6の習慣によって身に付く社会的スキル

全ての習慣のシナジーを作り出し、成長のスパイラルに入るためには、能動的に時間を作り、【刃を研ぐ】習慣を身に付けなければなりません。

感想

第一に、人格の形成が必要だと強く感じました。これまで、自分の状況や思考に責任を自覚することや、人生の目標について深く考えることなどなかったからです。良い大学を出て、良い企業に就職するのが良い人生だという価値観の中で生きてきました。でもそれは、他者や環境から与えられたパラダイムに過ぎなかったのです。

私は、ミッションステートメントを決めることから取り組もうと考えました。それが以下です。

このミッションを毎日思い描き、自立した人間へと成長していきます。

 

第二に、今、このタイミングで読めたことが幸運でした。

正直、大学生の時に読んでも、ピンとこなかったと思います。

「自分は目標なんてなくても、それなりに幸せな人生を送れる」

そう考えて、真剣に取り組まなかったと思います。

前職の時に読んでも、状況に言い訳をして、主体的であることを選択しなかったでしょう。

「仕事をしなければいけないんだから、自分の優先事項を優先するなんて理想論だ」

そうやって本当の内面と向き合うことを避けたでしょう。

これまで歩んできたレールを外れ、一から積み上げていこうと決心したこのタイミングだったからこそ、この本の意味を理解し、行動に移せているのだと思います。

この機会を授けてくれた、マナブさんに本当に感謝しています。

私も、一人でも多くの若者が「自分の人生」を生きられる手助けになるよう、自己成長と発信を実践していきたいと思います。

参考

完訳 7つの習慣 人格主義の回復 | スティーブン・R.コヴィー, フランクリン・コヴィー・ジャパン |本 | 通販 | Amazon

https://www.youtube.com/watch?v=6XJaKxvAfZA&t=3s